DALCUORE(ダルクオーレ)の歴史
ダルオーレは1960年代に創立されたサルトリアです。ナポリのほとんどの仕立て屋がそうであるように、ダルクオーレも25歳の時に叔母の営むドレスメーカーで見習いとして修行を始めます。彼のナポリ仕立てはその際に習得されました。しかし、ダルクオーレの修行デビューは他のサルトよりも遅いです。そこがダルクオーレのユニークな点で、彼は修行に入る前の6年間、ドイツを皮切りにヨーロッパを旅行し、見聞を広めていました。その旅行体験と、ドレスメーカーで培った繊細な技術こそが、のちに彼の独創的な作風にも繋がってきます。
ルイジ・ダルクオーレ(Luigi Dalcuore)
DALCUORE(ダルクオーレ)の特徴
「第二の皮膚のような服」
ダルクオーレの服は、ストイックなまでに繊細で丁寧。ハンドメイドにしては完璧すぎるくらいの同じ幅の細かなステッチや、エッジすれすれに打ち込むステッチ。布の重なる部分をできるだけ気づかせないかのような継ぎ目。それらが作用しあい、ダルクオーレの作り出す服はシャープでエッジが効いています。また、全体のシルエットもある種緊張感が漂うような、広い肩幅に対してぎゅっと絞り込むウエストライン。アームホールはあくまで狭く、高めに設定してあり、腕を上にあげてもサイドの生地が一緒についてくることはないといいます。それほどにフィットした着心地にこだわるのは、「第二の皮膚のような」服を目指しているから。皮膚は人間の動きにもだぶつかずについてきますよね?まるで着ていないかのような、完璧な服づくりを目指していると言っても良いでしょう。
「ナポリの古典的なディティール“マニカ・カミーチャ”」
彼の特徴とも言えるディテールの一つとして、マニカ・カミーチャがあげられます。サルトによってスーツやジャケットへの考え方も様々で、肩をマニカ・カミーチャで作らないサルトもいます。しかし、ダルクオーレのスーツやジャケットは、古典的なナポリのディテールを踏襲しており、マニカ・カミーチャは必須なのです。ダルクオーレのマニカ・カミーチャは、神経質なまでの繊細な作りで、いくつもの美しいギャザーが波打ちます。そのギャザーの波が作り出すうっとりするようなドレープ感。それこそが、王道ナポリと言わんばかりのダルクオーレのジャケットです。
「ナポリで最もモダンなスタイル」
- クラシックとモダンの融合、DALCUOREはよくこのように形容されます。イタリアスーツの聖地であるナポリのスタイルを継承しつつも、決して古臭くならないように進化し続けています。それを象徴するかのように、現在のアトリエは木の温もりが感じられるようないわゆる典型的なサルトリアではなく、白い壁一面に飾られたおしゃれな現代アートと窓の外に広がるナポリ湾に囲まれています。
- 写真引用元
DALCUORE(ダルクオーレ)の取扱店
伊勢丹メンズ館
BEAMS(ビームス)
BR SHOP(ビーアールショップ)
ring(リング)
Zio Benardo(ジオべナルド)