ファッションの歴史を辿る上で欠かせないのは映画ですよね。ストーリーはもちろん当時のリアルなファッションを楽しめる映画は沢山ありますが、その中でも私が気に入っている映画をご紹介します。1977年に公開されたアメリカ映画「アニー・ホール」ウディ・アレン監督によるロマンスコメディです。当時、70年代後半のファッション界にも大きな影響を及ぼし、今も伝説として語り継がれています。今回はそんな「アニー・ホール」をご紹介させていただきます。
あらすじ
NYを舞台に、都会に生きる男女の恋と別れをペーソスと笑いで綴ったラブ・ストーリー。うだつの上がらないスタンダップ・コメディアン、アルビーは、知り合った美女アニーと意気投合して同棲生活を始めるが、うまくいくのは最初だけ。次第に相手のイヤなところが気になり出した二人の間には見えない溝ができ上がっていた。そしてアニーの前に現れた人気歌手のカリフォルニアへの誘いが二人の仲にピリオドを打つ決定的なものとなった……。
ウィットに富んだ斬新な作風
ご存知ウッディ・アレンのニユーヨークを舞台にしたウィットにとんだ会話が楽しめる映画です。ウッディ・アレン演じるコメディアンのアルビーとダイアン・キートン演じる売れない歌手アニー・ホールとのラブ・ストーリーです。ただ、ただのラブ・ストーリーではありません。
まず、アルビーが精神を病んでいる割には凄く言葉数が多い(現代風に言うとかなりうざい)。まあ話している内容はウィットに飛んでいて面白いですが。そして精神を病んでいるせいか、いきなり過去に戻ってアニーや友達と自分の幼少時代を覗いたりします。普通は回想シーンですよね。カメラにアルビーが話しかけているシーンがある。これも斬新ですね。普通にナレーションぽく話せばいいのに。とにかく、この時代にこの作風は斬新。
ウザいけとアルビーに引き込まれていきます。笑ったのが病んでいるのに異様に性欲が強いこと。ウッディ・アレンの他の映画でもウッディが奥さんと何度もやりたがるシーンがありますが、実際好きなんだろうなあ、と思わせるシーンです。また、最後はやはりお別れをしてしまう二人ですが、そもそもこんな病んでいて自殺願望のある男(蜘蛛も殺せない)を好きになったアニーがよくわからない。だってアニーは明るくてとても素敵な女性なんですもん。
この着こなしが参考になる・・・
70年代のナードな雰囲気が今のトレンドと絶妙にマッチしていて旬な映画です。ミリタリージャケットを用いたイギリスらしい合わせ方や大流行中のワイドパンツ。ツイードのジャケットなどトレンド感満載の映画です。
オールホワイトのコーディネートもさらっと着こなす、このノームコアな雰囲気がたまらないですね。パンツがタイトなものではなくワイドパンツなので全体のバランスが崩れずに違和感なく着こなせています。それはさておき、ラルフローレンを着こなすキートンのマニッシュなファッションがたまりませんね。
ミリタリージャケットにチェック。この合わせがなんとなく新鮮で真似したい。ジャケットに合わせて同色系のグリーンのチェックという点もすごく綺麗なバランス。これをベージュのパンツで合わせている辺りも70年代の雰囲気を感じることができて非常に素敵ですね。
最後に・・・
アルビーのファッションももちろんですが世界中を虜にしたダイアン・キートンのファッションにも目が離せません。個人的にですが女性のマニッシュなファッションがとても好きなのでこんな女性が増えてくれたら嬉しいです。是非、お洒落の参考にして頂ければと思います。