寒い冬の定番コートの1つといえばモッズコートですよね。男らしい雰囲気を兼ね備えながらもどこか女性的な雰囲気もあり至極、バランスの取れたアウターです。そして、このモッズコートは体に冷気の侵入を抑えてくれて頼もしい存在です。そんな人の為にモッズコートとは?の疑問を解決すべく今回はM-51(フィッシュテールパーカー)の歴史と特徴、着こなしをご紹介していきます。
M-51(フィッシュテールパーカー)の歴史
モッズコートの始まりは1950年代のアメリカにさかのぼります。起源は「PARKA SHELL M-1951」という軍用パーカーで、このパーカーはアメリカの地上軍が極寒地域での防寒衣類として使われていました。「M-1951」という部分は文字通り1951年に作られたことからつけられた名前です。そしてこのM-51をもとにさまざまなデザインのものが増えていき、現在ではおしゃれな着こなしに定番コートの1種として人気を誇るまでになりました。欧米においては一般的にモッズに愛用されたことから「モッズパーカ」あるいは燕尾状の裾の形状から「フィッシュテールパーカ」などと呼ばれています。大量のサープラスがイギリスに渡ったのが、普及した理由の一つという説もあります。
現在では「モッズコート」という呼称が定着しているが、90年代までは「モッズパーカ」「シェルパーカ」などと呼ばれることが一般的でした。「モッズコート」の呼称は、1990年代以降の日本のアパレル・ファッション業界が発祥と思われ、国内における「モッズコート」の定義そのものに混乱が見られ、広義の「モッズコート」は、「ミリタリー風コート」とほぼ同義で使われていることがあります。 また、米軍衣料のM-51は「パーカ」のほかに「フィールドジャケット」、「トラウザース」なども存在し、このことが混乱に一層の拍車をかけています。
M-51(フィッシュテールパーカー)の特徴
「M-51フィールドジャケット」とM-51(フィッシュテールパーカー)の名前が似ているのには理由があります。実はこの「M-51(フィッシュテールパーカー)」と「M-51フィールドジャケット」は元々合わせて着るもの。そもそもモッズコートは寒冷地方での気候に対応するため開発されたものです。防寒性の高いライナー(着脱可能な裏地のこと)、フード部分にあしらったコヨーテファー、手袋をしていても着脱が可能な様にフロントのZIPには紐をつけていたり、そしてビッグサイズのシルエットは「M-51フィールドジャケット」の上からでも着れるように、と理由のあるディティール、デザインで作られているのです。
「フィッシュテール」

モッズコートの特徴的なディテールの一つとして、後ろの裾が燕尾(えんび)状に先割れしており、裾周りに縫い込まれたドローコードで下腿に巻きつけられる仕様「フィッシュテール」が挙げられる。独特の形状から欧米等では「フィッシュテールパーカ」などと呼ばれることも。特徴あるフィッシュテールを持つパーカは、モッズコートのM-51のほか、前身である「M-48パーカ」、後継である「M-65パーカ」などに見られることもある。
「比翼仕立て」

ジップを締めてその上にスナップで更にジップ部分を覆う比翼。当然、防寒能力を高めている。モッズコートが暖かいのは細やかなディティールのおかげだ。
「コヨーテファー」

防寒を意識し、獣毛をトリミングしたファー付きのフードがM-51には備わっている。また、M-51のファー付きのフードはボタンにより取り外しが可能。フードは二重構造になっているデザインが多いため、ファー付きフードを取り外すと本体に縫い付けられたファーが付いていない一枚のフードで着用が可能だ。
「フラップポケット」

左右のポケットに上に被さるよう三角形の布が取り付けてある。雨が入らないようにする蓋の役割で、これはジャケットにもついてる。大きさも十分にとってあるのでモッズコートなら手軽に荷物なしで出かける事ができるだろう。
M-51(フィッシュテールパーカー)のオススメコーディネート
アスリートを代表する、世界のベッカム。ベッカムの着こなしはいつも自然で魅了されます。モッズコートはディティールが特徴的なのでサイズ感とやりすぎない着こなしが大事になります。キャップ、インナー、パンツ、シューズをダークトーンで引き締めながらもTシャツとファーで白を差し色に。重たい印象のコーディネートもぐっと軽やかさが増してまっとまった雰囲気に。ややオーバーサイズ気味に着こなせばぐっと男らしさも格上げしてくれることだろう。