男ならスパイ映画にはいつも憧れてしまうもの。スパイ映画ならではの独特の緊張感は見ている私たちもハラハラ、ドキドキできて一種の高揚感さえ感じることが出来ます。そんなスパイ映画も様々な演出やストーリーがありますがこの「キングスマン」リアルなイギリス紳士の着こなしや立ち振る舞いを感じることが出来る映画です。今回はそんな「キングスマン」の参考になる着こなしをまとめさせていただきました。
あらすじ
2015年9月公開のイギリス映画。『キック・アス』のマシュー・ボーン監督が、コリン・ファースを主演に迎えて描いた、スパイ・アクション。どこの国にも属さない世界最強のスパイ機関〝キングスマン〟のスパイたちが、前代未聞の人類抹殺計画を進める凶悪な敵に立ち向かう姿を描きます。サミュエル・L・ジャクソンが恐るべき敵役を、貫禄たっぷりに演じる。昔のボンド映画を彷彿とさせるストーリー展開だけでなく、イギリス紳士にふさわしいお洒落なスーツも高く評価されている「キングスマン」。登場人物たちの着こなすファッションも大きな見どころの1つです。
衣装は100%イギリス製
本作で使用されている衣装はボタン等の細部の部分を含める100%イギリス製というこだわりを持った映画です。コリンファースが演じるハリー・ハートのファッションは、味の出てきた大人の男性にとても参考になります。ウエストは若干絞り込んだ美しいシルエット。イギリス仕立てのスーツの特徴でもある、胸元の綺麗なドレープは胸板を強調させて男性の力強さを表してくれます。
イメージモデルはサヴィルロウの名店「HUNTSMAN(ハンツマン)」
映画ではスパイの本拠地であるスーツ屋の KINGSMANはイギリスのスーツの聖地サヴィルロウに1849年から店を構える、HUNTSMAN(ハンツマン)というお店がモディファイされて登場しています。HUNTSMAN(ハンツマン)といえば1865年にプリンス・オブ・ウェールズ殿下御用達となって以来、各国王室の御用達テーラーとしてロンドンのサヴィルロウでも別格の地位を確立してきました。HUNTSMAN(ハンツマン)は数々の洋服を着こなした大人が最後に辿り着く、「永遠のクラシック」であり「最上のベーシック」。英国貴族の洗練された美意識を尊重しつつも、昔の古いクラシックではなく現在における最高のもの、という意味でのクラシックを追及しています。実際の映画の中でもこのHUNTSMANの什器、部屋が使われているのでリアルな世界観を味わうことができるはずです。
この着こなしが参考になる・・・
イギリスらしい王道のグレンチェックを用いたスーツをレジメンタルネクタイでシンプルにコーディネートしています。チーフは白のリネンと主張をしすぎないことが逆にとてもかっこいいですね。カフスやピンキーリングをゴールドにすることでさりげないエレガントな表情も演出できています。年を取れば取るほど無駄のないシンプルな着こなしこそ本当のエレガンスであり、かっこいいんだと気づかされます。
ストライプのダブルのスーツにもレジメンタルネクタイを合わせています。昨今トレンドと騒がれているレジメンタルもクラシックであり、普遍的な物だと理解することが出来ます。巻き方も“ウィンザーノット”とイギリスらしいVゾーンを構成しており、構築的なスーツとこの巻き方の相性の良さを再確認することが出来ます。そして、本編のなかでも傘は度々用いられますが、イギリス紳士にも必需のアイテムです。傘を持つだけでも立派なアクセントになりコーディネートを数段格上げされるのですからビニール傘とはお別れしなければいけませんね。
タキシードが似合う男性ほど“良い男”これは、どの国でも間違いない必然的な話です。タキシードといってもこのコーディネートの様なショールカラーやピークドラペル。カマーバンドはするか、パンツを変えてみるかと幾重にも着こなしの幅があります。それ故にTPOに合わされた着こなしが出来ているか出来ていないかで、タキシードを着こなせているかがすぐに分かります。あまり着ることの少ないタキシードですが逆に着れるシーンや着なければいけないシーンで着ていない方も多いはず。死ぬまでに何回着れるか分からないタキシードですからどんどん着ていきたいものです。
最後に・・・
映画の魅力はそのストーリーもさることながら普段見ることの出来ない風景や着こなしです。自分自身のライフスタイルではできない着こなしや風景も見ることで自分自身の感受性やセンスを格上げするヒントが必ず眠っています。今作の「キングスマン」の着こなしは決して日常生活においてありえない着こなしではありません。スーツスタイルやタキシードスタイルなどのクラシックなスタイルは永遠に廃れないものだからこそ是非参考にしていただきたいです。