Ethan Newton(イーサンニュートン)/Bryceland’s Co(ブライスランズ)
ETHAN NEWTON氏は、13歳でヨーロッパのミリタリーやヴィンテージに目覚め、17歳の時には早くもテーラードを学び始めたと言う、生粋のファッショニスタです。その後も20歳でエヴィスジーンズのスタッフとなり、30歳の時には以前ご紹介した香港のセレクトShopであるアーモリーの立ち上げに参画。34歳でラルフローレンに入り、2014年には同社のアジアン・パシフィック地区のメンズラグジュアリー部門のシニア・ディレクターに就任するなど、様々なテイスト、分野におけるキャリアを誇ります。
その後、オープンさせたのが世界でも注目の集まるセレクトショップ「Bryceland’s Co」です。Bryceland’s Coとは、ETHAN NEWTON氏が香港のKenji Cheeung氏とともに東京は神宮前にOPENさせた、セレクトショップ。今回はそんなETHAN氏の、ミリタリーとヴィンテージ、そしてテーラードをミックスした、卓越したファッションセンスをご紹介させていただきます。
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タイドアップスタイル
玉虫色に輝く、夏に着たいソラーロのスーツをシンプルに着こなしています。こういった、一般的に派手なスーツを着こなす際は合わせるアイテムはとことんシンプルにする事に尽きます。スーツの魅力を最大限に引き出す事ができるからです。今回のイーサン氏のコーディネートの様にレジメンタルのタイにストライプシャツ、このくらいシンプル且つ色数も少ない方が吉です。
イタリアでは誰もが愛する色合わせ「アズーロ・エ・マローネ」分かりやすく言うとネイビーとブラウンの絶妙なハーモニーです。この色合わせはクラシコスタイルの基本であり、お洒落に洋服を着る上では最低限、知って欲しい組み合わせです。クラッチバッグをハイトーンのブラウン、シャツをサックスにするなど同色系の色でまとめつつも色彩にメリハリがあるのでコーディネートに奥行きが出ています。
イーサン氏の真骨頂はジャケパンスタイルです。ジャケパンスタイルはスーツスタイル以上に自身の個性やスタイルが表現されやすく、言うなれば“センス”がとても重要です。イーサン氏の着こなしの根底にある「アメリカとイタリアの融合」が見事に表現されたコーディネートですね。パンツの裾幅を見ればただの着こなしではない事にすぐ気付くはずです。通常であれば感じてしまう違和感をお洒落に変換するそれがイーサン氏の着こなしです。
雰囲気抜群のカジュアルスタイル
アンプロージの芸術品とも呼べる美しいトラウザーズを用いたコーディネート。イーサンの様なガッチリとした体型でもバッチリはまっていますね。股上が深く、自然にテーパードされているので足長効果を期待できると共に体型補正までされています。この様に自分の体型に合わせて理解し、トラウザーズのディティールを変化させることで体型をカバーする事が出来ます。
レザーブルゾンもプリーツ入りのテーパードの良く聞いたチノパンツで合わせれば土臭くなりすぎない洗練されたコーディネートが出来上がります。シンプルな色合わせだからこそ映えるコーディネートなのはもちろんですが胸元にあるサングラスなどちょっとした遊びも粋なコーディネートを演出する時はピッタリです。
デニムジャケットもスラックスとドレスシューズで調理すれば一気に都会的で上品なコーディネートへと調理することができます。綺麗目なスタイルになりすぎない様にタートルネックとニット帽でバランスを保っているのもイーサン氏の流石のテクニックです。この手のコーディネートで合わせるドレスシューズは外羽根式のカジュアルなもので膨らみのあるイギリス製やアメリカ製のドレスシューズが好ましいです。
抜群のサイズ感。コートスタイル
イーサン氏といえばコートスタイルが抜群にカッコイイです。そのほとんどが自身の好む、若干オーバサイズのコートを着用しています。中に着ているスーツはタイトな物を選択する事で体型補正効果も期待できますし、動きやすさや機能的な一面もあります。本来、コートとはこういうものです。いかにもタイトで窮屈な、デザインだけに特化した物が巷には蔓延していますがイーサン氏の様なコートも一着は保持して欲しいものです。
グレーベージュの様なヴィンテージの生地を用いたコートは雰囲気抜群ですね。合わせて巻物やジャケットも一癖あるらヴィンテージ感漂う色合いで相性は抜群です。イーサン氏はコートを着こなす際に帽子でアクセントを加える事が多いです。必然的に手数、色数が多くなってしまう秋冬は顔周りが寂しくなってしまうものです。普段着ているコートも帽子でアクセントをつければいつもと違う雰囲気で着こなせるはずです。
ベージュのコートはどんな色味にも合わせやすく、特有の色気があって上品な雰囲気です。今回のイーサン氏のコーディネートも全体的に落ち着いたモノトーンで合わせながらも帽子や胸元に飾られたグローブはブラウン系のベージュで合わせ、同色系の物を合わせる事でバランスを保っています。グローブの挿し方もそうですし、ウエストコートのアクセサリーなど、自身の着こなしに一癖つけるのもイーサン氏の着こなしを格上げさせているテクニックの一つです。
小物使いがすごい
最後に・・・
スーツやカジュアルスタイル、そしてコートスタイル。全てをとってみてもイーサン氏は自分自身の好むスタイルを確立させていることが分かりますね。トレンドを追い求めるファッションも大事ですが自身のスタイルを確立させ、その自身の洋服のワードローブを広めていく事はとても重要です。結果的に洋服と長く向き合う事ができ、無駄な買い物も減っていくはずです。今回ご紹介させていただいた、ブライスランズのイーサン氏の着こなしを参考に自身のスタイルを確立させるきっかけになれば幸いです。