ネクタイはビジネスシーンでとても重要なアイテムであり、その人の“人となり”を映し出してしまう不思議なアイテムですよね。当然、必要性の高いアイテムだからこそ、様々なブランドでネクタイは作られていますが実際どのブランドが良いの?と思う事も多いかもしれません。今回は沢山あるブランドから素晴らしいネクタイを作る高級ブランドをまとめました。ギフトなどでも参考になると思いますので是非、お楽しみください。
1.KITON(キートン)
既製服の頂点“KITON(キートン)”が作る至高の一本
紳士服が好きな方、洋服が好きな方なら一度は耳にしたことがあるブランド、“クラシコイタリア”既製服の頂点のブランドがKITON(キートン)です。スーツやジャケット作りにおいて高く評価されているKITONですが、ネクタイも至極、上等で本物嗜好の方をも唸らせます。そんな、KITONのネクタイと言えば、代表的なのはセッテピエゲです。セッテピエゲは作るために非常に高度な技術の必要なネクタイといわれており、その存在自体に価値があります。通常であれば2つ折りの物を7つ折りにて作られるネクタイは通常のネクタイに比べるとボリューム感があり、立体的なノットを作ることができます。しかしそんなセッテピエゲのネクタイの中でも特に重厚感のある作りをしているのがKITONなのです。その重厚感からも企業のトップに立つ人間や人をまとめる役職の方にはオススメなのです。
2.E.Marinella(マリネッラ)
イタリア・ナポリ発のネクタイブランド“マリネッラ”
「マリネッラ・ナポリ」は100年以上の歴史を持ちます。マリネッラ丸の内店ではネクタイは常時200ぐらいのパターンがあります。ものづくりをする上で、効率は決してよくはないのですが「お客様第一」という現場からの発想で、いろんなバリエーションのなかから選ぶことができます。そしてマリネッラの大きな特徴は寸分違わぬ迷いのないカッティングと、アイロンワークの生み出す綺麗なシルエットでしょう。そして結んだときに分かるのが、その縫い方のレベルの高さです。ミシンでは到底ありえない、ハンドメイドで均一に縫うのではなく、適切に強弱を付け、ピッチを変えながら進めていくステッチは、結んだときに力が一カ所に掛からず、分散されます。その結果としてディンプルやノットを綺麗に見せることができ結び心地の良い綺麗なシルエットのネクタイが出来上がるんです。
3.F.Marino(フランチェスコ・マリーノ)
手縫いで仕上げられた温かみのあるネクタイ
ナポリ近郊のネクタイと刺繍の名産地「サンジョルジオ・ア・クレマーノ」。その伝統文化を一身に担う男Francesco Marino(フランチェスコ・マリーノ)。彼の生み出す商品は、本国・イタリアでは「カサンドラ」の名で知られ、その仕事の大半が、今なお手縫いで行われる、創業1928年の老舗ネクタイ工房です。どのネクタイよりもしっくり収まり、且つ緩まない結び目。また長年の使用にもねじれることのない、耐久性の高さ。Francesco Marino(フランチェスコ・マリーノ)のそのクオリティーが認められた現在では、ナポリの有名サルトからの注文や有名ショップのオリジナルの多数をこのネクタイ工房が手掛けています。
4.FRANCO MINUCCI(フランコミヌッチ)
オリジナルティ溢れる色と柄、洒落者がこぞってつけるネクタイ
フィレンツェにある紳士服の名店「TIE YOUR TIE」の創始者であるFRANCO MINUCCI氏が手がける“FRANCO MINUCCI(フランコ ミヌッチ)”。イタリア最大のメンズファッションの祭典であるピッティ・ウォモの羅針盤とも称され、彼の着こなしや彼のコレクションがイタリアファッション界のトレンドに今もなお大きな影響を与えています。こちらのブランドを代表する7つ折りのモデル“セッテピエゲ”タイは、1枚の生地を7回折りたたみネクタイの形をつくり厚みを出し、裏地と芯地を一切使わず仕上げています。それだけ多くの生地を使用し、高度な技術が必要となる贅沢な仕様です。KITONやマリネッラのセッテピエゲと比較してもボリューム感が強く本当にスカーフを巻いてるかの様な贅沢感を味わうことが出来ます。
5.Atto Vanucci(アットヴァンヌッチ)
襟元に添えた際の確かなる存在感を演出するボトルネック
フィレンツェの名店『タイ・ユア・タイ』の元代表であり、現在は本物のクラシコ・イタリアを表現する職人たちによるハンドメイドタイブランド『セブンフォールド』を手掛ける加賀健二氏が、プロデュースするネクタイブランド Atto Vannucci(アットヴァンヌッチ)トスカーナの古都フィレンツェで生み出される伝統的な7つ折り(セッテピエゲ)製法を今に伝える Atto Vannucci。「セッテピエゲ」とはイタリア語で「7つ折り」という意味です。7つ折りで作られる為に通常の倍近い生地を贅沢に使用する必要があり、柔らかな生地を芯地無しで仕立てる為に熟練の職人技が求められます。丁寧なモノ作りの姿勢は、効率などにとらわれないモノ作りの本質とも言えます。襟元に添えた時の存在感と、結んだ時にキュッと小さいノットでありながら、独特のボリュームを演出するボトルネックを採用しているAtto Vannucciを是非1度首元に、結んで頂きたいです。
6.FRAANCO BASSI(フランコバッシ)
身に着ける人を虜にするジャガードの魅力
フランコ・バッシは、1973年にフランコ・バッシ氏がイタリア北西部の街“コモ”で設立したイタリアらしからぬ真面目なブランドです。コモは世界的にもシルクの生産地として有名な街です。故にネクタイの生地も最高品質で、特にシルクのジャカード織りのネクタイは低速の織機で作られる生地を採用しています。現在主流のコンピューター式高速織機ではなく、回転の遅い旧式の低速織機を使うことで、糸の打ち込みがしっかりしたジャカード生地を作ることができるのです。フランコ・バッシがもっとも得意とする、どこか懐かしいヴィンテージ感が漂う素材の提案は目の肥えた大人をも惹きつけます。シーズン毎に、レトロなペイズリー柄や小紋柄を現代的にアレンジして新鮮な驚きを見せてくれ、近年はクラシック回帰の傾向が強くなっていますので、フランコ・バッシのような北イタリアの真面目なネクタイは多くの人に好まれています。
7.Charvet(シャルベ)
花を添えるフランスらしい鮮やかな色使い
1838年、パリに創業した世界最古のオーダーシャツ店がシャルベ(Charvet)です。1877年からヴァンドーム広場に店を構え、フランス人の男性にも「憧れのお店、ブランドは?」と聞くと、大抵の人が『Charvet』の名前をあげます。最も特徴的なのは一目見てそれと分かる発色の良さ、生地の光沢感です。イタリアのメーカーによく見られる発色の良さとはまた一味違った趣で、少しトーンを抑えた上品な発色が特徴です。柔らかでシックなスーツとの相性は抜群で、ビジネスシーンに華やかさを添えたい場合などには特にオススメのネクタイです。
8.NICKY(ニッキー)
老舗ネクタイメーカーの安心感
1920年にミラノで創業した老舗タイブランド。どのセレクトショップに足を運んでも大抵、取り扱いがあり安定した人気を誇っています。ニッキーのタイは明るい色使いが特徴で、イタリア男性をカラフルなネクタイに目覚めさせた功績は大きく、現在では世界の有名店やブランドのネクタイやスカーフ類を数多く製作しています。Nickyの商品は、シーズンごとにそれほど大胆な変化はないものの、素材や組織、配色を微妙に変化させ、その時代の気分が確実に盛り込まれているエレガントなコレクションが特徴的です。
9.LUIGE BORRELLI(ルイジ・ボレッリ)
クラシックの中に光る色彩と品格
1957年に、イタリアのナポリで設けられたブランドが「ルイジボレッリ」です。創立者は、ルイジ・ボレッリ氏であり、彼のシグネチャーブランドでした。ボレッリのネクタイは、独特の縫製法によって作られています。通常の縫製では、ネクタイを横や斜めに置いて縫い合わせていくのですが、ボレッリではネクタイを縦において真ん中を縫い合わせていくという繊細で難しい作業を行っています。この独特の縫製法と仕上げのアイロンワークによって、ふくらみがあって締めやすいネクタイが作り出されます。そしてその色彩の美しさはやはりナポリのブランド独特で、量販店に並んでるネクタイとは明らかに違います。デザインが奇抜ではないからこそ、その色使いのセンスが輝くわけです。
10.FIORIO(フィオリオ)
シルクの名産地“コモ”の控えめな華やかさ
1946年にミラノでスタートした“FIORIO(フィオリオ)”。丁寧な縫製と高いクオリティ、ビジネスに使いやすい控え目な華やかさは現在も世界中で支持を得ています。そんなフィオリオはイタリアのシルク産地として知られるコモ湖畔に本拠を構える最大のシルク生産企業の一つCANEPA(カネパ)社のファクリーブランドの一つ。 フィオリオの特徴はそのエレガントな色調と柄。名だたる大手メゾンブランド生産を手がけていただけあって、膨大なアーカイブを持っており、毎シーズンそのアーカイブを元にセレクトショップ毎に特徴の違う柄をオーダーしています。
11.MATTABISHI(マタビシ)
普通を極めたシンプルな逸品
Mattabisch(マタビシ)は、イタリアの世界最高峰の既製服ブランドとして有名なKiton(キトン)のグループにあり、キートン創立者の弟が立ち上げたネクタイのブランドです。一般的には有名なブランドではありませんが、少しでもスーツやドレススタイルに興味のある人であれば必ずと言っていいほど知っているブランドです。マタビシの作るネクタイは他のネクタイブランドほど軽やかだったり、工芸品のような繊細さを持っているわけではなく、あくまでベーシックなネクタイを極めたようなアイテムです。しかしそのシルク素材は非常になめらかで高級感があり、ふんわりとした仕上がりはVゾーンを非常に立体的に見せてくれます。
12.STEFANO BIGI(ステファノビジ)
餅は餅屋。ネクタイ専門ブランド
1938年、イタリア・ミラノで創業した“ステファノ ビジ”は3代目当主。今もなお、創業以来の生産体制を守り、すべて手作業により高品質なネクタイを作り続ける同ブランド。ステファノ・ビジ氏が選ぶ生地には独特の美意識が感じられ、クラシックな中に都会的なエッセンスが上手く溶け込んだミラノならではの洗練されたデザインが特徴です。餅は餅屋とでもいうのでしょうか。生地はもちろん、芯地、そしてそのバランスの妙なんでしょうが、手にしたときのリッチな感じはこのステファノビジでしか味わえません。
最後に・・・
ビジネスシーンでもカジュアル化が進み、ネクタイをつけなくても良い習慣がどんどん進んでいますね。それでも、今まで何百年もの間ネクタイがフォーマルな場面で使われ続けてきたのはその人の魅力を最大限に引き出してくれるからだと思います。そして、ネクタイを作る一流のブランドも様々ありますが、どのブランドにもそのブランドの特徴があります。スーツやシャツ、靴など全てのバランスを考え、適切な一本を身に着けたいものですね。ネクタイについて細かい話は下記のリンクをご参照ください。
【今更聞けない】ネクタイの歴史と、巻き方、生地、ディンプルについて