世界中の粋な紳士たちに注目されているメンズショップが、香港にあることをご存じですか? 最高の品質と、スタイル。ドレス好きにはたまらない最高の空間を提供してくれるその名は「アーモリー」。かつてはファッションへのこだわりと興味を共有するビジネスマンだった、アレン・シーさんとマーク・チョーさんが、その情熱を形にして2010年に創業しました。今回はその世界で最も注目されているアーモリーの代表「Mark Cho(マーク・チョー)」氏の着こなしを徹底解剖していきます。
MarkchoのInstagramは→https://www.instagram.com
THE ARMOURYのサイトはこちら→thearmoury.com
着こなし「ジャケパンスタイル」
ネイビーストライプのジャケットを全て無地のアイテムで合わせることでジャケットを綺麗に引き立てています。又、ネイビーに対して反対色であるイエローのシャツがまた一層このコーディネートの良さを引き出しています。バーガンディのシューズとポケットチーフの色味を合わせている点も小技使いがうまい彼の着こなしを象徴したアクセントになっています。
ジャケットの色合いをその他のアイテムをうまく拾いあげていますね。スラックスも単なるグレーと思いきや少しだけ水色が入っているのでコーディネートがうまく統一されています。ただこの様に淡い色合いでコーディネートをすると全体がぼやけてしまうので彼はネクタイを最も濃い色を選択することで一気に引き締まった着こなしへと昇華させています。首回りに濃い色合いをアクセントカラーにすると小顔効果も狙うことができるので是非参考にしていただきたいです。
無駄のないシンプルな着こなし。彼の装いの素晴らしい点は洋服やバッグ、そしてシューズ。全てのアイテムの素材やシルエットの良さを最大限に引き出せることだと思います。このコーディネートはまさに彼のその素晴らしい力が現れています。シルエットは程よくタイトに主張しすぎないものを選んでいます。色合いも無駄に色と色を喧嘩させずにうやくまとめあげています。ラペルのボタンホールから覗く飾りも彼の着こなしの中でのこだわりを感じることができるポイントになっています。
着こなし「スーツスタイル」
3ピースのスーツは貫禄が強く、ある程度若い年代だと重厚感が強く出すぎてしまいます。しかし、この着こなしの様にタイ、チーフ、シャツを主張の強くないもので合わせることでコーディネートをうまく緩和させることができます。メガネなどの小物を使ってメリハリをつけるのも良いでしょう。このコーディネートではあえてルイヴィトンのバッグを用いることでシンプルな装いに対してバッグもスタイルも上品な雰囲気に格上げされています。
コットンスーツはカジュアル感が強いために、タイドアップするにはポイントをいくつか抑えないといけません。まずは素材感。このコーディネートではシャツはインディゴのドレスシャツに起毛感のあるネクタイ。コットンの様なカジュアル色の強いスーツにはこのくらい崩したVゾーンがバッチリハマります。そして、一番の抑えるべきポイントは靴。ローファーなどのスリッポンやモンクストラップなど抜け感の程よく出る靴を選ぶのが吉でしょう。
こういったオーソドックスな着こなし程、彼の着こなしの魅力が最大限に引き出されていますね。ストライプスーツにヴィンテージプリントのネクタイ。ストライプに対して丸の柄は相性抜群です。色合いもブルーのグラデーションで程よく緩急をつけていてうまくまとめあげています。個人的にはパンツのサイズ感がとても好みです。プリーツパンツの流行でようやくピチピチなパンツも少しづつ減ってきましたが、このくらい適度にゆとりがあるパンツの方がスーツをかっこよく着ることができるはずです。
着こなし「鮮やかなネクタイ」
ネイビーのスーツに鮮やかなグリーンのネクタイがとても綺麗に映えていますね。春夏に発色の強いネクタイを用いてコーディネートしたい場合は装いをシンプルに徹底するほかありません。主張の強い色と色を掛け合わせると嫌でも色同士が喧嘩してしまい、それこそコスプレの様になってしまいます。裏を返すとシンプルな色合いに鮮やかなネクタイを合わせるだけでとてもかっこよくなるんです。
クラシカルなツイードスーツも重たい印象になってしまいますが、ここまで鮮やかなネクタイを取り入れるとそのギャップがツイードスーツの魅力をより引き出していますね。ネクタイとバランスを取る為にバッグをライトブラウンにしている辺りも彼の色彩感覚の素晴らしさを再認識することができます。近年、“クラシック”は着こなす上で重要なキーワードですが、そのクラシックも小さなアイディアやテクニックがないと単なるコスプレになってしまいます。こういったテクニックはうまく取り入れていきたいですね。
着こなし「巧みな小物使い」
先程のツイードスーツも小物を変えるだけでここまでガラッと雰囲気が変わります。これもクラシックの醍醐味の1つであり、楽しみです。ハットを合わせることでよりクラシック感は増していますがネイビーの水玉ストールがコーディネートに新鮮でフレッシュな雰囲気をプラスしていますね。このコーディネートでもポイントは靴です。重たい印象のこのコーディネートですがローファーを掛け合わせることで程よく抜け感が出てコーディネートにうまく抜け道が出ています。トレードマークである眼鏡もクリアフレームで合わせている辺りも計算された彼のテクニックを感じることができます。
巻物は春夏秋冬問わず、コーディネートに最高のスパイスを与えてくれるのは巻物ですよね。緩やかに巻かれたグレーのマフラーがこのコーディネートに一癖与えてくれています。緩く巻かれることでVゾーンのネクタイや印象を崩しすぎずコーディネートを邪魔しません。巻き方次第でコーディネートの雰囲気もガラッと変わるのでコーディネートに合わせて色々な巻き方を試してみたいものですね。
着こなし「コートスタイル」
バブアーってやっぱり良いですよね。使い込まれて味の出たバブアーは人によく馴染みこなれた印象を演出してくれます。カーキとの相性を考えるとまずベージュのパンツを選択することは間違いないでしょう。トーンを合わせて、ブラウンのジャケットを合わせたのであればコーディネートが完璧に仕上がります。仕上げにはネイビーのネクタイを合わせれば少し土臭い印象のコーディネートが一気に都会的な印象になることでしょう。
タイロッケンコートを用いたコーディネート。トレンドキーワードとして急上昇中のベルテッドコート。少しサイズ感の大きいものを選択しているのも素晴らしい点ですね。シンプルな装いですが首元のタートルネックの発色がとても綺麗でコーディネートの良いアクセントになっています。秋冬のアウターは暗いものが多く重たい印象のコーディネートになりがちですがタートルネックの様なインナーは表にでる面積も少ない為、取り入れやすいです。
冬といえばやっぱりポロコートは良いですよね。先程のコートもそうですが、彼はコートを選ぶ際にタイトすぎるものよりも程よくゆとりのあるものを選びます。かといって決して野暮ったくならないのはパンツのサイズ感と丈感が大きいです。くるぶしより下に適度に直されたパンツが重たい印象の逃げ道を作っています。
1000万円を超える圧巻の時計コレクション
これだけでも軽く1000万は超えるコレクション。彼の選択する時計は、シンプル且つエレガントなものばかりです。やはり、お洒落な人程、時計を選ぶセンスはずば抜けているものを感じます。
最後に・・・
彼の着こなしはシンプル且つエレガンス。各分野で一流の物の“価値”を知っているからこそ辿り着ける境地。無駄が一切ないんです。そして彼の人柄もその装いから滲み出ている。前回ご紹介させていただいた、「アレン・シー」と共同経営している、アーモリーは今世界で最も注目されているお店です。そんな、ドレススタイルの最前線に立っている「マーク・チョー」を今後も追い続けたいと思います。