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ファッショニスタ“安武俊宏”(BEAMS/ビームス)着こなし術

天下のビームスのプレスとしてメディアへの露出も多い安武俊宏氏。そんな安武氏の生い立ちは福岡生まれ札幌育ち。文化服装学院卒業後、2005年にビームス入社。ビームス 銀座、ビームス ジャパンにてメンズドレスの販売を経て、2012年よりプレスに。 現在はメンズドレスを中心にデザイナーズから雑貨等のプレスを担当しています。

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安武氏の着こなしの特徴は“トラディショナルをベースに様々な国のエッセンスを取り入れ新しい着こなしへと昇華させること”です。ドレススタイルという洋服の着こなしの基礎を熟知しているからこそ着こなしの幅がとてつもなく広いんです。今回はそんな日本屈指のファッショニスタ、安武氏の着こなしを徹底解説していきます。

 

着こなし「ドレススタイル」


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あまり、スーツにネクタイのスタイルを見かけない安武氏だがスーツを着ればここまで着こなしています。胸ポケットに忍ばせるサングラスやネクタイの小剣と大剣のバランスなど、随所に見られる遊びが彼が只者ではないと教えてくれます。一見すると合わせるのが難しい様に感じるカーキのコットンスーツもネクタイやシューズ、そしてバッグを黒で統一させることでシックな装いへと昇華させています。この場合通常だと白シャツを合わせるところですが中間色のグレーを用いることでVゾーンの繋ぎとしてうまく着こなしています。

 

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スーツにスカーフというスタイルは彼の代名詞であり、得意な着こなし。ディティールの面白いスーツは、できる男の必需品“THE GIGI”。ダブルの8ボタンという一癖あるディティールが妙に安武氏にマッチしている。必然的に狭くなるVゾーンの為、インナーは首が少し緩めなクルーネック。そこへアクセントとなる巻物が良いバランスでまとまっている。サックスにホワイトという組み合わせで春夏らしい爽やかなコーディネートになっています。

 

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少し大きめに着ているベージュのスーツもパンツの丈感が短い事とスリッポンシューズのおかげで絶妙なバランスでコーディネートされています。トレンドとしても注目されているモックネックにスカーフを掛け合わせるなど安武氏らしい、面白い着こなしです。兎にも角にもスーツの主張が強い為、眼鏡も同系色のクリアフレームを合わせてコーディネートにうまく中和させている辺りも流石の一言に尽きる。

 

着こなし「卓越した色彩感覚」


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安武氏の着こなしを語る上で絶対に外せないのは彼の卓越した色彩感覚。簡単に言うと、誰しもこの色にはこの色。など、ある程度決まったルールや王道の合わせ方をします。なかなか意外な色合わせはしないものです。しかしこのコーディネートはまさにその逆を行くコーディネート。まずはシャツをみてください。通常のインディゴの様な風合いですがよく見てみるとビンテージ特有の少し土っぽい感じが出ています。そこから色を派生させていき、パンツは土っぽい茶色。シューズはメリハリをつける為にクリーンなライトブラウンのローファー。バッグはスエードのライトブラウン。締めにはアイボリーのニット。この通常ではありえないバランスも素材や微妙な変化をつける事で抜群にかっこいいコーディネートへと昇華させています。

 

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ファッションにおいては目の肥えた人ほどブラウンやネイビー、グレーといった落ち着いた色合いを選択します。そういった色が1番使いやすく、簡単にお洒落に見えることを知っているからです。しかし、安武氏の挑戦的なこのパープルのブルゾンを使ったコーディネートを見てください。突拍子もなく合わせている様でインナーのフラワープリントで色を拾っていたり、シューズとパンツを同色の物で合わせ極力、色数を使用していなかったりと計算されて使われているのです。セレクトショップへ行くと大抵ネイビーやブラックと合わせて派手な色のアウターやジャケットが並んでいますが安武氏の着こなしを参考に是非挑戦してみたいものです。

 

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個人的に安武氏のスタイルの中でもお気に入りのコーディネートです。カーキのトレンチコートをベースにしたコーディネートですがパンツはグレー、シューズはブラウンとオーソドックスな色合わせですな足元に一癖あります。ちらっと覗く、テラコッタのソックスが妙にこのコーディネートにメリハリをつけています。これこそ“差し色”というものでしょう。ただ、メリハリのつく色を差せばいいわけではないということを安武氏は教えてくれます。

 

着こなし「巻物のスペシャリスト」


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安武氏の着こなしを見ていくと巻物を使用している頻度の高さに気づきます。これは個人的な見解ですが巻物を上手に使える人ほど、着こなしの幅が広くお洒落な人が多いと思います。このコーディネートでもB-3のムートンというかなり男臭いアイテムをフラワープリントの巻物がバランスを整えてくれています。短丈のアウターに対して丈よいも長い物を選択しているのも良いメリハリが効いており、とてもかっこいい。

 

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PITTIUOMOの安武氏のコーディネート。パイピングが施された独特の雰囲気漂うファイアーマンコート。セリーヌのスカーフの色彩がコーディネートに綺麗に映えています。先ほどのストールもそうですが巻物の長さを左右で微妙に変えることでコーディネートにメリハリをつけることが出来ます。巻物をする際は巻き方も大事ですがこういった小さな仕掛けを作ってあげることでこなれ感を簡単に演出することが出来ます。

 

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夏場のスカーフは首元にエレガンスな雰囲気を演出してくれるだけでなく、単調でカジュアルになりやすいコーディネートを一気に都会的に仕上げてくれます。夏場は使えるアイテムも少ない為に、必然的に使える色合いが少なくなってしまいますがこのコートの様にスカーフをプラスしてあげるだけで色のある艶っぽいスタイルへと格上げされます。

 

着こなし「巧みな小物使い」


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安武氏の着こなしは小物の使い方が非常にうまい。小物使いがうまい人ほど、ファッションを楽しんでいる姿が目に見えて、見ているこちらまで楽しくなります。この着こなしではムートンに対して起毛感のあるボリューミーなストールがやけにマッチしています。シューズを革物を合わせていることでかっちりした印象になっていますがニット帽がコーディネートの逃げ道になり、ほどよい抜け感がでています。小物だけが作れるギャップはコーディネートにスパイスを与えてくれます。

 

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柔らかな風合いが特徴のジャケットとブリムの広いストローハットが、リラックスした雰囲気を演出しています。このコーディネートでの一番のポイントはストール。ストールは巻くだけでなくポケットに入れてアクセントにすることが出来ます。この着こなしではストールを巻いてしまうと折角の柔らかな風合いが崩れてしまう。だからこそポケットなのです。逆にポケットに入れることでモノトーンで柄の無い単調な着こなしに色と柄が綺麗に映えています。安武氏らしい流石の小物使いですね。

 

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独特のパターンが施されたコートを使用した、モード感が漂うコーディネート。よく見るとレトロポロにスラックスと、クラシカルなアイテムで合わせることでモードになりすぎないよう、うまくバランスをとっています。ここでさらにグラスコードを付けたサングラスをぶら下げることでコーディネートにさらなる奥行きを演出しています。安武氏の小物使いは決してコーディネートを邪魔せずあくまで主役のアイテムたちを惹きたてる、極上な物を選択しています。小物は使えば良いというわけではなくあくまでコーディネートを格上げさせるスパイスなのです。

 

最後に・・・


安武氏の着こなしを紐解いていくと彼の小さな拘りが積み重なり、この独特の雰囲気を作り上げているのだと理解することが出来ました。ファッションは人それぞれの美学があり、その美学を守っている人が自然とお洒落に見え、目の離せない存在になるのです。安武氏のファッションへ向かう姿勢やスタイル、そして着こなし。それを今後も注目し追い続けていきます。

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