いよいよ気温も下がり、秋冬に向けた準備を始める方も増えてきているだろう。セレクトショップを始め、色々なお店で秋冬も立ち上がり先が楽しみでしょうがない季節が遂に来た。そんな中、RENARA(レナータ)からは週毎にトレンドについてまとめた記事を発信。第1回は「トレンドの素材」について。是非、秋冬の買い物の前に参考にしていただきたい。
この素材は絶対抑えるべき!!
「ツイード」
英国のツイードに代表される様なヘリテージ感のある素材が英国のファブリックメーカーもそうだが、イタリアのファブリックメーカーからもかなり打ち出されている。今までは英国調でもウエイトの軽い生地が多かったが全体的に重厚感のある英国調で”重い生地”をイタリアのサプライヤーからも打ち出されているところからもトレンドの素材と言えるだろう。
写真引用元 THE GIGIのツイードコート。発色の良いニットで合わせる事で新鮮な雰囲気に。
写真引用元 LBM1911のツイード×ツイードの提案。個人的にベージュ×グリーンは今シーズン注目の配色。
そもそもツイードとは?
ツイード素材といえば、イギリスのスコットランド地方で織られていた毛織物を指す。実は、ツイード川の辺りから発祥した生地とされているため、「ツイード」と呼ばれるようになった。このツイードは、ウールから作られていることが多いため、暖かいという性質がある。厚手の生地となっていて丈夫なので冬のファッションアイテムを作るのによく使われる。ツイードの模様には、ヘリンボーンやハウンド・トゥース・チェックなどの種類があってどれも素敵で高級感がある。
「ヘリンボーン」
ネイビーとブラウンのヘリンボーンやヘリンボーンプリントの生地など様々な風合いでヘリンボーンが出てきている。それくらいにヘリンボーンという素材が注目されている証拠だろう。今年の秋冬ではほとんどのブランドでヘリンボーン柄がみられ、ヘリテージファブリックの中でも1番注目されている生地だろう。
写真引用元 エルネストの大柄のヘリンボーンを使用したバルカラーコート
写真引用元 フィナモレのコートもヘリンボーン。ジャケットとネクタイまで完璧に英国調にまとめ上げている。
そもそもヘリンボーンとは?
ヘリンボーン素材といえば、「ニシンの骨」という意味がある。その模様は、ニシンの骨を思わせるような山形と逆山形が入り混じった模様。日本においては、杉綾織りと呼ばれることもある。男性用スーツなどの素材として使われることが多い。イギリス発祥のツイード生地にも、このヘリンボーンの模様が使われることがある。ちょっと複雑な模様ですが、素敵な模様と感じる人も多くいる。また、平織りの生地よりも厚みのある生地となっていることが多い。
「コーデュロイ」
コーデュロイに関しては去年から引き続きトレンドになっている。太畝、中畝の物が多くパッと見てコーデュロイと分かるものが多いのが特徴だ。実際に日本ではコーデュロイという素材は、まだまだシニア感や野暮ったい印象が抜け切れていない為に取り入れずらい印象があるがコートやジャケットなどで太畝、中畝の物を選択すると新鮮でフレッシュな気持ちで取り入れやすいと感じる。
写真引用元 THEGIGIのコートでは太畝のコーデュロイコートが目につく。元々得意としていたテイストで絶妙な打ち出し。
写真引用元 コーデュロイに関してはパンツでも多く見られた。ツイードなどと比べると比較的に取り入れやすいのでは?
そもそもコーデュロイとは?
コーデュロイ素材といえば、コール天とも呼ばれており、主にファッションアイテムや足袋などの生地として用いられている。コットンやウールなどを原料としてこのコーデュロイ生地がパイル織物として作られている。その織り方は、ベルベットに似ていますが畝が存在するのがその特徴となっている。たとえば、学校では黒板消しの消す方にある生地がコーデュロイ素材。布地に畝があることが黒板消しを思い出すことで想像できまる。このコーデュロイは、暖かいというメリットがあるので冬用のファッションアイテムにもよく用いられている。
「ムートン」
ムートンに関してはイタリアPITTIUOMOのみならず、ファッション業界全体で注目されている素材の一つだ。AW17シーズンのアウター事情としてさまざまなブランドが取り入れたアイテムがムートン。表面はレザー特有の味わいがあり、裏面はモコモコとした暖かい肌さわり。このギャップがなんともいえないソフトな大人スタイル。PITTIUOMO91ではサプライヤーからの提案というよりもストリートで着ているのを多く見たのはムートンと言っても過言ではないだろう。
写真引用元 鮮やかなプリントデザインで楽しませてくれる『ケイティアーリー』。ムートンアウターはジャケットのパターンでワイルド感あるブラウンカラーで仕上げている。インナーのカラーで遊ぶ方法も次のシーズンの参考にしたいところ。
写真引用元 『ナイジェルケーボン』の新作ムートン。モデルが着用し、登場したのはヴィンテージアイテムのようなレザー特有の味が出たデザイン。ディテールもミリタリー仕様なこだわりが大人の遊び心を高めてくれる。
そもそもムートンとは?
ムートン素材といえば、メリノ種の羊の毛皮に毛伸し加工をプラスしたものを指す。元々の原料はウールなので、ムートン素材も天然繊維の素晴らしさを兼ね備えた素材の一つ。素晴らしい吸湿性があるため、いつも肌触りがサラリとして快適であるという特徴もある。実は、ウールには自然にエアコンのような機能が付いているといえる。ムートン素材も、いつも乾燥した状態をキープする力が働いているのでダニなどの温床になりにくいといった特性がある。さらに、ムートンは火がついても燃えにくいという性質を持っており、たとえ炎を近づけても黒いコブができるだけで燃えることはありません。
素材別の着こなし術!!
「ツイードの着こなし」
我らがファッショニスタ、”マルコ・ザンバルド氏”のツイードの取り入れ方が巧み。ツイードをイメージすると嫌でも英国調の重たいイメージになってしまうのだが、ミリタリージャケットに落とし込む事で野暮ったさを上手く調理している。色合いもネイビーを中心にコーディネートする事でより街で着るには相応しいコーディネートに昇華させている。流石の一言。
カントリーテイストのコートはホワイトパンツで合わせる事で野暮ったさを軽減。パンツもテーパードの効いた細身な物を合わせる事で洗練した印象に。しっかりとトレンドのプリーツパンツという点も見逃せない。又、シューズとハットをブラウンで統一させる事でコートの色合いを一層深める様に努めている点も参考にしたい。
「ヘリンボーンの着こなし」
ヘリンボーンを用いて、グレーのグラデーションのコーディネートなんてのも粋でかっこいい。主張の強いヘリンボーンのコートをあえてグレーで”ボカす”ことで上手く全体的に主張の強さを逃している。体の中心に位置するネクタイを1番濃い色合いを選択している点もコーディネートに絶妙にマッチしていてかっこいい。
ブラウンのヘリンボーンは今季1番チェックしたい。タリアトーレを始め、ラルディーニなど様々なブランドで打ち出されていたアイテムだ。このコーディネートの様に同系色のベージュ、挿し色でグリーンを取り入れると上品にまとまる。又はボルドーなどを取り入れても今年らしい装いになるだろう。
「コーデュロイの着こなし」
またまた、ファッショニスタの登場。ジャンフラーテ氏の太畝のコートを用いたコーディネートが非常にお洒落。ブラウンのコーデュロイをあえて”ネイビー”で調理することで都会らしい洗練されたコーディネートに。この手のコートはカントリー感が強すぎる為、シンプルに合わせることを徹底したい。ジャンフラーテ氏の様にハイゲージのタートルネックで合わせることをおススメする。
コーデュロイをタイドアップしてコーディネートするならピンホールシャツやタブカラー等が気分ですよね。ネクタイはグレーのツイードを合わせていながら、シャツは淡い水色のシャツでコーディネートすることで重たく見せないようにしている。ハンチングやサングラス等で微妙に色合いの違うブラウンを取り入れている点も参考にしたい。
「ムートンの着こなし」
ムートンは肩掛けでコーディネートすることをおススメする。ムートンの弱点は嫌でもボリュームが出てしまう点だが肩掛けすることでうまくボリュームを逃がすことができる。このコーディネートではニットやジャケットをネイビーで統一させ、メリハリをつけることでムートンの風合いを最大限に引き出している。
最後に・・・
”英国調”というキーワードは今季絶対外せないだろう。生地ではツイードやヘリンボーン、コーデュロイなどが挙げらるがコーディネートでは取り入れすぎないことをおススメする。英国調×英国調のコーディネートではどうしても重すぎるコーディネートになってしまうからだ。そして”コスプレ感”がつよくなってしまう。しかし適度に英国調のアイテムを一点だけ取り入れるだけで今年らしいコーディネートになり、うまくトレンドを表現できるだろう。今回の生地を参考にうまく取り入れてほしい。次週はトレンドの”柄”をご紹介するのでお楽しみに…。