サムライ

私が着こなしの参考にしたお洒落な映画「le samourai(サムライ)」

仕事というものは一体なんなんだろうか。日々、同じ事が繰り返される毎日。今の日本に自分の仕事に誇りと覚悟を持っている人がどれだけいるのだろうか。今回ご紹介させていただく『le samourai(サムライ)』は男としてのあるべき姿、仕事とに向き合う姿勢と覚悟。そして男の着こなしとは何なのか。様々な角度から深く考えさせられる映画になっています。少しでも魅力を伝えられればと思います。

引用

 


あらすじ


ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)は一匹狼の暗殺者である。多額の報酬をもらい、恋人のコールガール・ジャーヌ(ナタリー・ドロン)にアリバイを頼んだうえで依頼された暗殺を実行していた。ある日、いつものように暗殺を実行したジェフは退散する途中、歌手のヴァレリー(カティ・ロジェ)に顔を見られてしまう。これで警察にマークされる事となってしまったジェフは命を狙われるはめになる。そんな中、ジェフは新たな殺しの依頼を受けるが、そのターゲットはヴァレリーだった……

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殺し屋としての覚悟


殺し屋としてのあるべき姿を究めた男。孤独、虚無、ストイック、そして美意識。その果てに彼が求めたものとはなんだったのか?それは男としての、殺し屋としての最後の美学!

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その完璧なまでにカッコよくも悲しい殺し屋ジェフ・コステロを演じたのが、当時31歳のアラン・ドロン。この映画におけるメルヴィルの演出は他の追随を許さない唯一無二のノワール映画を生み出したが、主演アラン・ドロンの存在がなければその魅力は半減したことでしょう。

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それぐらいこの映画におけるアラン・ドロンは美しく、悲しく、渋いのです。薄暗い居室でタバコをふかすシルエット。コートのポケットに両手を突っ込みただ歩く姿。無数の鍵束と前方を見据える視線。外出時に帽子のひさしをピリッとなぞる指先の動き。

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彼の一挙手一投足が美しく、悲しく、渋いのです。そんな彼の行動を細部まで徹底的に執拗にしつこいぐらいに映し出していく監督メルヴィルの視線は、まるでアラン・ドロンに恋をしたよう。そう。メルヴィルも、我々観客も彼に恋をした。片想いとは知りながら……。いや、片想いだったのは我々観客だけか?メルヴィルとアラン・ドロンは相思相愛の仲だったのだから。メルヴィルが急死したとき(享年55歳)、アラン・ドロンは南仏から車を飛ばして駆けつけるものの、ショックのあまり階段から転げ落ちたといいます。

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この着こなしが参考になる


”トレンチコート”

引用

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19世紀のイギリスで防水生地が発明され、第一次世界大戦時に防水加工されたコットンで作られたコートが所謂、トレンチコートです。トレンチコートはハンフリー・ボガートやジャン・ギャバン、そしてアラン・ドロン等の名優が映画の中で粋に着こなし”ハードボイルド”のイメージが定着しましたがそれに憧れた男がトレンチを羽織ってもサマになる事は少ないです。即ち、トレンチを着こなすには揺るがない男の人生が必要って事なんでしょうね。

 

”スーツ”

引用

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「自尊心と独立心がこれほど強くなかったらある意味で僕は、もっと幸福な人間になっていたかもしれない」(by ALAIN DELON)

 

彼の着こなすスーツはとてもエレガントに見える。グレーのフランネルスーツにブラックのネクタイ。結び目は細く、少し緩やかに。細いネクタイがイギリス仕立てのスーツに妙に映えます。男のスーツの着こなしって、やはりシンプルで良いんですよね。そんな風にまで思えるほど格好良いです。

 

“ハット”

引用

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粋な男性程、ハットが似合う。特にボルサリーノとトレンチコートはセットみたいな物です。大人っぽいアイテム同士なら、引かれ合うのも当然。しかし、シックなロングコートではクラシックなムードが出すぎてしまう場合もあります。そこで、ルーツがミリタリーのトレンチコート。特にベージュは、適度なヌケ感と品の良さのバランスが絶妙なためハットとのバランスが絶妙なんです。

 


最後に・・・


これはアラン・ドロンのための映画です。古ぼけたアパートでカナリアと暮らす殺し屋。オープニングの冷たい画面とたばこの煙が印象的です。ほとんど台詞無しで、アラン・ドロンの端正な顔立ちを追うカメラ。これがもし、男前ではないが渋い、と言われるような役者が演じたらどうだろう。孤独の中にもちょっとばかしユーモラスさが混じり、間延びするに違いない。これはアラン・ドロンでこその役なのでしょう。そして全編を覆う緊張感。地下鉄の逃走劇はたっぷり時間をとり、そしてあのラストへと繋げてゆく。フレンチ・フィルム・ノワールと言われるムード満点の映像と音楽を堪能できる逸品。今作ではちょっと割を食った役のナタリー・ドロン。子供の頃の憧れの女性でありました…(笑)是非、ファッションという観点を取り入れながら観てみてください。

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