洋服の価値観が変わる洋服と出会った事はありますか?私はクラシックスタイルに出会い、今までの洋服の価値観が全て変りました。そんなクラシックファッション一辺倒だった私に更なる変化を与えてくれたのがこの「VANSON(バンソン)」のライダースとの出会いです。きっかけは単純な物ですが尊敬する先輩が着こなすライダースがとても格好良かったことです。何十年と着こまれたエイジングの出たそのライダースジャケットから先輩の生き様や人生を見たような圧倒的な衝撃を覚えたのを今でも覚えています。
大量消費社会でユニクロなどのファストファッションが溢れる時代に本物を見抜く審美眼は絶対に重要です。もちろん消耗品や下着、頻繁に買い換える必要のあるものはファストファッションの魅力は存分にあると思います。しかし、そういった洋服は一生着ることはできません。人生を一緒に歩める上質な洋服って素敵だと思いませんか?間違いなくそういった洋服との出会いが洋服の価値観を変えてくれるはずです。今回はそんな一生向き合える洋服の1つ。私の着こなしの価値観を変えてくれた「VANSON(バンソン)」のライダースをご紹介します。
「グレインレザー特有の粋な皺」
柔らかいグレインレザーの出す独特な色気はホースハイドやラムレザーのライダースとは一味違う色気を演出してくれます。この写真を撮影した際は買ってから二年目。二年着ただけでも私の体にどんどん馴染んでくる。そして着る度にこの皺が一つ、又一つと刻まれています。この着る度に分かる確かなる変化こそ、着こなしの価値観を変えてくれた大きな要因であり好んで着用する一因です。今後十年、二十年と歳を重ねどんな姿で私の人生を支えてくれるかとても楽しみです。
「無駄のないシンプルなディティール」
この「VANSON(バンソン)」は当時働いていた、某セレクトショップの別注で作られた商品です。通常あるポケットなどの装飾がそぎ落とされているので無駄のないシンプルなディティールになっています。クラシックスタイルにも馴染み、デニムにも馴染む。このシンプルというのがとても大事でどんな着こなしにも対応してくれる万能性が強みです。
「レザージャケットこそ自分の体に合う物を・・・」
一生を共にするライダースを探す上で最もこだわったのは自分の体に合うフィッティングです。接客の経験からもライダースは特に良いレザーを使用している物ほど体に馴染み大きくなることが分かっていました。ライダースジャケットをお直しに出せるイメージは少ないかもしれませんが私は徹底的にお直ししました。お直し代は三万円を優に超えましたが自分自身の体に合うライダースこそ一生を共に出来ると思ったからこそ躊躇なくお直ししました。
最後に・・・
ファッションには当然流行がありますし、流行を全く気にしない人でもその人自体の生活や嗜好は必ず変化し、また人間というのは飽きる生き物です。しかし自分の人生を共に歩める自分に必要なもの、愛するものを選択し末長く付き合っていくことも、使い捨てが前提の消費し続けるファッション、そして他人の目を気にしたりトレンドを追い求め精神的にも金銭的にも消耗を繰り返す現代のファッションとの付き合い方を見直すことに繋がるかもしれません。