洋服は勉強と一緒で勉強したことをアウトプットしていくことでどんどん”センス”を磨いていけます。ある程度自分自身のスタイルが確立してくると自分だけの”ルール”が出来てきます。そしてそのルールこそが着こなしとなります。今回ご紹介する、ジャンフラーテは自分自身の似合う洋服をよく理解しています。彼の色気ある着こなし、そしてイタリアン過ぎず、モードなテイストを絶妙に取り入れた着こなしは本当に参考になります。今回はそんなイタリアきっての伊達男”ジャンフラーテ”をご紹介します。
Domenico Gianfrate(ドメニコ ジャンフラーテ)
自身のブランドであり「Domenico Gianfrate(ドメニコ・ジャンフラーテ)」のオーナーであり、あのPT01のアートディレクターでもあるジャンフラーテ。小さいころから洋服が好きで、サルトだった母親に自らデザインした洋服を作ってもらっていたというドメニコさん。既製品を買っても、必ずどこかをカスタマイズしていたお洒落少年でした。セリエAで、プロサッカー選手として活躍していたこともあるというから驚きです。
Rule1 「九分丈」
まずは”九分丈”です。彼の着こなしで一番分かりやすいルールはこちらです。欧米人特有の典型的な、なで肩。パンツをジャスト丈で履いてしまうと全体のバランスが悪くなり、なで肩がより強調されてしまいます。それを防ぐための”九分丈”です。そしてそれと同時にジャンフラーテは冬場でもソックスを履いている姿は見かけません。それほど彼の中でも重要なルールの一つでしょう。
ホワイトのスーツをモノトーンのみで合わせたシックなコーディネート。無駄な色を一切取り入れていない為クリーンな印象をキープしています。裾口もダブル仕立てにはせず少し短めにする事で重厚感を柔らげすっきりとした印象になっています。同時に抜け感も出ているのでカジュアルな雰囲気が出ています。結婚式などで真似したいスタイリングです。
ブラウン、ベージュ、ホワイトのワントーンでまとめたコーディネート。淡いトーンのグラデーションになっていますが足元と顔周りは濃い色でしっかりと引き締めてスタイリングがぼやけないようにしています。足元のダブルモンクのストラップを外して遊びを作っています。こういったディティールを用いた遊びはドメニコジャンフラーテの十八番です。
Rule2「胸元」
二つ目は”胸元”です。彼がネクタイを締めず着こなす際は必ずとボタンを大きく開けています。彼なりのセクシーさとエレガンスなのでしょう。日本人には一見難しそうな装いですが、自身の体を鍛え体を作ることはお洒落をするうえでとても大事なことです。外国人だから似合う。ではなく日本人でも適度な筋肉をつけた体には必ず似合います。そしていやらしく見えないのには理由があります。それは髪型です。きっちりと整えられた髪型は知的な印象を与えています。その知的な印象とそのギャップがあるこそエレガントになりうるのです。
春に取り入れたいピンクのテーラードジャケットを用いた爽やかなスタイリング。ホワイトパンツで合わせると一見派手すぎてしまうと感じますがうまくブラウンのスリッポンが中和させています。そしてピンクの爽やかな印象に対して胸元の開きがギャップを生みコーディネートを良い意味で喧嘩させる事で最高のバランスを保っています。
こんなスーツスタイルで気になる女性と食事に行けば絶対に落とせるでしょう。カジュアルにスーツを着こなすのは一見すると難しいですが、体のラインに合った仕立ての良いスーツ、裾はたるませない、どこかに遊びを取り入れる、この三点を守るだけで簡単に着こなすことができます。しかし体に自信の無い方はシャツの第二ボタンはそっと閉じておきましょう。
Rule3「色味は三色以下が基本」
どんなに色味を使うコーディネートでも彼は靴を除き”3色以下”でコーディネートをしています。これは実は簡単な様で難しいです。又、彼は色の合わせ方が非常に巧です。上段の写真を見てみてください。ブラウンのジャケットに対してパンツも同色系の薄いブラウンを合わせることでグラデーションを作り馴染ませています。逆に下段の写真では鮮やかなブルーのジャケットに対し反対色のイエローを差し込むことにより、お互いの色味をはっきりと主張させています。無論、パンツをモノトーンのホワイトで合わせることにより、ジャケットとシャツの色味のコントラストを阻害しないようにしています。
上級な色合わせですが全て秋らしいくすんだ色合いでコーディネートする事で全体のバランスを保っています。これだけトーンの違う色を合わせても色の種類を合わせるだけで簡単にまとまるんです。そして色を使うコーディネートをする際は時計やメガネなどの小物は黒を基調とした物で合わせると色の主張を最大限に引き出すことができます。
ブルーとイエローは反対色で相性の悪い印象がありますが実は他のアイテムの色彩を工夫するだけで相性抜群の組み合わせへと昇華させることができます。それはモノトーンのアイテムで合わせる事です。反対色同士でコーディネートする場合は色彩のメリハリが強いので嫌でも視点がそこへ向かいます。だからこそ他のアイテムはモノトーンの様な色のないもので引き立て役に徹するのです。
Rule 4「パンツのシルエット」
彼は、よりカジュアル寄りのテイストでコーディネートする際は、渡りに少し余裕があり膝下にかけてテーパードが強くかけられているパンツを好みます。このシルエットの一番の利点は足のラインを強調させないことで足を細く見せるという点です。日本人の様に少し、短足で太ももが太い足にはとてもよくマッチします。このルールは最も日本人には参考になるのではないでしょうか?もちろん”九分丈”は忘れてはいけません。
ベージュのセットアップはカジュアル感が出やすいので休日にはもってこいです。セットアップに抵抗の強い方でも取り入れやすいでしょう。サックスシャツやホワイトのシューズもクリーンかつ爽やかな印象を与えてくれますのでちょっとしたお食事の際や女性とのデートなどでも好印象を与えてくれるはずです。
カントリー感が強く出てしまうデニムオンデニムなスタイリングもパンツをスラックスタイプにするだけで綺麗めな印象でコーディネートすることができます。ベルトと靴を皮物で合わせている事もよりグッドポイントです。もちろん革靴はカジュアルなコーディネートなのでダブルモンクやスリッポンタイプの物で合わせるとバランスを取りやすいでしょう。
着こなし「カジュアルスタイル」
シンプルなコーディネートですがサイズ感が完璧なのでとてもカッコいいですね。シンプルな着こなしの中でもデニムは程よいダメージ入りの物をチョイスしていたり、眼鏡はグレーで合わせていたりとちょっとした遊びを忘れないのもドメニコジャンフラーテらしい着こなしのテクニックです。
ウールのカジュアルジャケットを用いた都会的な着こなし。ネイビーのジャケットに対してネイビーのタートルネックのトーンオントーンとトレンドを意識さだ着こなしですが全てはチェックパンツの魅力を最大限に引き出す仕掛け作りです。パンツのブラウンを拾って眼鏡もブラウン系の物で合わせていますがこういった小さな気遣いが出来るからこそ世界トップのファッショニスタと呼ばれる所以でしょう。
ドメニコジャンフラーテの愛する小物達
最後に…
全て参考になるルールですが、すべての方に当てはまるルールではありません。自分自身の体系、髪型、性格すべてを理解し、学習してそれをアウトプットし続けることで自分ルールが必ずできるはずです。私も彼の様な色っぽさ、そしてエレガントさ。それを身に着けるように死ぬまでファッションを勉強しアウトプットし続けていこうと思います。