ファッションにおいて”ミリタリー”というものはとても密接な関係であり、今もなおたくさんのデザイナーがミリタリーをベースにデザインをしています。しかし、本当の意味でミリタリーをファッションに落とし込んで洋服を着こなす人物はそういません。今回、ご紹介させていただくAlessandro Scuarzi(アレッサンドロ スクアルツィ)はそんな”ミリタリー”を着こなす数少ない人物です。もちろん、ドレススタイルやドレスカジュアルもしっかりと着こなす世界で最も注目されるお洒落なおじさんです。今回はそんなAlessandro Scuarzi(アレッサンドロ スクアルツィ)をご紹介させていただきます。
Alessandro Scuarzi(アレッサンドロ スクアルツィ)が携わるブランド
Alessandro Scuarziとしてショールームを構えながら、数々のブランドに携わる敏腕な”プロデューサー”です。あのSOLIDO(ソリード)等もアレッサンドロが手掛けたことで有名です。まずは現在手掛けている2つのブランドをご紹介させていただきます。
『FORTELA/フォルテラ』
アレッサンドロ・スクアルツィ氏Alessandro Squarziが自ら企画立案デザインした大好きなヴィンテージへの思いが詰められたブランド。素材選びから氏自ら徹底的に探し収集したこだわりの生地、少年時代から収集してきた1930~1940年代ヴィンテージ、イタリア某老舗サルトで現存する古いクラシックをベースに現代的な感性を加えたブランドです。
『AS65/アエセッサンタチンクエ』
『Original Military Vintage Parka』をコンセプトにあらゆる角度から本物のヴィンテージウェアを取り込み展開しております。常に何をすべきかのための味と愛を介して通信するための欲求を伝えるために努力しています。古典の水準を維持しながら、新しいトレンドにも考慮して研究する意欲と変化を意識し、モノづくりへ励んでいます。感度の高い生粋のヴィンテージ好きには堪らない一着。某イタリア人気ブランドデザイナー達もオフのスタイルでAS65/アエセッサンタチンクエを好んで愛用する程。これからのファッション業界に激震を起こす革命的且つ革新的ブランドです。
着こなし「スーツスタイル」
スーツスタイルもお手の物。全体をブルーのトーンでまとめて統一感を出しています。彼の代名詞でもあるデニムジレを挟み素材の奥行きを出している辺りも流石です。ネクタイをしていないので、あえてポケットチーフを入れていない点もアレッサンドロならではの遊び心です。
コットンのスリーピースはカジュアルな印象なのでニットタイとの相性は抜群です。タイドアップする際はまず選択肢に入れてください。そして、ネクタイの色味が目を引きます。これが単色のイエローだと悪目立ちしてしまいますが、ネイビーとコンビのネクタイなので綺麗に引き締まって最高のバランスです。
スーツをカジュアルに着こなすのであれば真っ先にお手本にしたいコーディネート。スーツの素材の中では比較的にカジュアルダウンさせやすいのがフランネル素材。タートルネックはカジュアルながらも綺麗な雰囲気を出しやすいのでカジュアルダウンしやすいアイテムです。スニーカーもコーディネートに浮かない様、同色の物を合わせているのもポイントです。
着こなし「ドレスカジュアルスタイル」
彼は色の引き出し方がとても上手です。つまり、ホワイトパンツの有効性を理解しています。ホワイトパンツを上手く使える人ほどお洒落な人が通じて多い印象を受けます。靴や、ジャケットを主役にしたコーディネートをする際は間違いなくホワイトパンツがオススメです。
アレッサンドロらしい、アメリカの雰囲気を盛り込んだドレスカジュアルスタイル。定番のネイビージャケットをパリッとしたストレートデニムで合わせています。タイドアップスタイルでこういったストレートデニムを合わせる場合は足首は必ず見せてください。足回りに余裕を作る事で、野暮ったい印象を打ち消し綺麗に見せてくれます。
ホワイトとブルーのコンストラストが綺麗なコーディネート。ストライプジャケット特有のリラックス感にポロシャツの抜けた雰囲気がバッチリハマっています。色彩と淡いホワイトを上下に取り入れつつもポイントで引き締まる色味を用いているのでスッキリと着こなせていますね。
着こなし「コートスタイル」
赤の入ったツイードのチェックチェスターコートを暖色系のみでまとめあげた統一感のあるコーディネート。発色の強いレッドをニット、ソックスと取り入れていますが全体のトーンが暖色なので悪目立ちしていません。各アイテム毎に素材を変えているのもコーディネートに奥行きを出している大事なポイントです。
ロングのPコートにデニムジャケットをレイヤードさせたアレッサンドロらしい遊びが効いたスタイル。コートのインナーぬデニムジャケットを合わせるとカジュアルな雰囲気を出しつつも、襟付きのジャケットなので綺麗目な印象も与えてくれます。カジュアルスタイルでローファーなどを履きたい時などにはピッタリのテクニックです。
ネイビーのワントーンのみでまとめあげた、都会的でエレガントなスタイル。よく見てみるとスーツ、コート、タートルネックに微妙な色彩の変化をつけています。こうする事でワントーンでも視覚的にメリハリがつくのでまとまったコーディネートになります。こういったシンプルなスタイル程、ボタンに目がいきます。ボタンまでこだわると全体を格上げしてくれるので是非お試しください。
着こなし「カジュアルスタイル」
こんな可愛いプリントカットソーもバランスは完璧です。アメリカを匂わすコーディネートは無骨な少し太めのパンツにデニムジャケット。最後にバランスを取るためにVANSのスリッポンで締める。可愛いポイントと無骨で男らしいポイントを1:1で配分することで絶妙な”抜け感”を演出してるんです。
レザーをこんなにもさらりと着こなせるのもアレッサンドロのすごいところです。軽くダメージの入れたジーンズにコンバースとスカーフで赤をスパイスに。レザーは着こなしの幅が広く、全体のバランスがチグハグになってしまう方が多い印象ですが、こちらは間違いなく参考になる方と思います。あくまで”アメリカ感”は匂わすのがアレッサンドロです。
彼はVANSのコレクターでもあります。スケートブランドのイメージが強いVANSもコーディネートの”遊び”として充分使えるんです。勘の良い方はもうお気付きかもしれませんが、アレッサンドロは色を使うときは大抵は靴で色を拾っています。一見、悪目立ちしそうなチェッカーのVANSも色味を統一させることでバランスを保っています。
着こなし「ミリタリースタイル」
これぞ彼の真骨頂である、ミリタリースタイル。ミリタリーアイテムはどうしても色味が野暮ったく、汚く見えてしまうところですがあえて綺麗に落とし込む。ジレやスラントポケットのパンツで合わせることでトラッド感はしっかりと取り込みつつもヘンリーネックで抜け感を演出。靴はアンティークフィニッシュのローファーで締める。完璧ですね。ミリタリーアイテムの一つの攻略法は”トラッド感”を取り入れることなんです。
B-3 ボマージャケットは素材がムートンなので野暮ったい印象になりやすいです。タイトな物を着用する事でムートン特有のラグジュアリー感を演出できるのでオススメです。ホワイトパンツやクリース入りの綺麗目のパンツで合わせるとモダンで今っぽい着こなしにする事が出来ます。
素材感の面白いモッズコートを都会的でクリーンにコーディネートしています。カジュアル要素の強いモッズコートもスラックスとレザーのスニーカーで調理すればタウンユースな着こなしへ昇華する事が出来ます。インナーの色彩を変えるだけで雰囲気がガラッと変わるので色々な色彩でお合わせください。
卓越した小物使い・・・
最後に・・・
いかがでしたでしょうか?アレッサンドロが教えてくれることは洋服の着こなしだけではありません。スナップに移る彼はいつも素敵な笑顔です。心が豊な人ほど洋服ってものは素敵に映る物です。外見を磨き、内面も磨いていく。私自身、そんなこともアレッサンドロに教えていただいた気がします。最後にインタビューで彼が答えていものをお伝えします。
「ずっと自分が好きなスタイルを着てきました。メインはヴィンテージです。TPOに合わせた着方も大切にしています。」
好きこそ物の上手なれ。是非、世界屈指のファッショニスタアレッサンドロスクアルツィ氏の着こなしを参考にしてみてください。